最近、涙が出る。子どもをかわいいと思えない瞬間がある。夜、眠れない。「もしかして、私はもう限界なのかもしれない」と、不安になっていませんか。それでも、今日まで何とか毎日を回してきたのだと思います。まず知っておいてほしいのは、そう感じるのは、あなたが弱いからでも、母親失格だからでもないということです。ここでは、育児ノイローゼと呼ばれる状態について、いつ起こりやすいか、どんなサインがあるか、そしてどこを頼れるかを、順番に見ていきます。
そもそも「育児ノイローゼ」とは
はじめに、大切な前提があります。「育児ノイローゼ」は、正式な医学的な診断名ではなく、育児による強いストレスで、心や体が不安定になった状態を指す、日常的な呼び名です。似た言葉に「産後うつ」がありますが、こちらは医学的な診断や治療の対象となる状態です。産後に気分の落ち込みや不眠、何も楽しめない状態などが続く場合は、出産した医療機関や保健師に早めに相談してください。
この記事は、あなたを「育児ノイローゼです」と診断するものではありません。当てはまるかどうかを確かめるためではなく、今のつらさをやわらげる手がかりを見つけるために読んでください。気になる状態が続くときは、自己判断せず、後半で紹介する窓口に相談してみてください。
育児ノイローゼは子どもが何歳のときに多い?
結論からいうと、「子どもが何歳のときに最も多い」と、一つの年齢に決められるものではありません。
ただ、出産直後から1歳前後までは、授乳や夜泣きによる睡眠不足が続きやすく、1歳半から3歳ごろは、子どもの自我が強くなることで、親の負担が大きくなりやすい時期です。どちらも、子どもの手のかかり方が増え、親の休みや逃げ場が減りやすいときです。
大切なのは年齢よりも、眠れているか、休めているか、負担が一人に集中していないかです。だから、この時期に限らず、条件が重なれば、どの年齢でも起こりえます。
よくあるサインと症状
次のような状態が、いくつも重なって続いているときは、心と体が疲れきっているサインかもしれません。
- 気持ちの面:わけもなく涙が出る。ずっとイライラする。子どもをかわいいと思えない。何をしても楽しくない。自分を責めてしまう。
- 体の面:夜、眠れない。または眠りが浅い。食欲がわかない、または食べすぎる。頭痛や動悸が続く。
- 行動の面:家事や身のまわりのことをする気になれない。子どもの世話が、以前よりずっと重く感じる。
一つ二つ当てはまるからといって、すぐに「育児ノイローゼだ」と決まるわけではありません。ただ、これらが同時に、長く続いているなら、すでに休息や支援が必要になっているサインです。
とくに、「消えてしまいたい」「子どもを傷つけてしまうかもしれない」という気持ちが出てきたときは、この先を読み進めなくてもかまいません。近くにいる大人に助けを求め、差し迫った危険がある場合は110番・119番へ連絡してください。子どもを傷つけてしまいそうなときは、「189」に相談できます。
その正体は、性格ではなく状況のことが多い
「育児ノイローゼになりやすいのは、まじめな人、完璧主義の人、人に頼れない人」と言われることがあります。でも、それはその人の性格の欠点ではありません。
24時間、逃げ場のないまま、一人で子どもの世話を担う。この状況に、まじめな人ほど、手を抜かず正面から向き合います。だから、余力が先に尽きてしまう。つまり、心がすり減るのは、あなたの性格が弱いからではなく、負荷があなた一人に集まりすぎているからです。頑張りが足りないのではなく、すでに頑張りすぎているのです。
最後に誰にも急かされず、ゆっくり食事をしたのは、いつだったでしょうか。夜、誰かと交代して眠れていますか。「今日は無理」と言える相手は、いるでしょうか。もし答えに詰まるのなら、問題はあなたの心の弱さではなく、休める仕組みがないことなのかもしれません。だとすれば、必要なのは「もっとしっかりする」ことではなく、その負荷を、少しでも外に分けていくことです。
つらいときの相談先
眠れない、涙が止まらない、子どもをかわいいと思えない。そんな状態が続いているなら、我慢して一人で耐えないでください。まずは、お住まいの地域の保健センターやこども家庭センターの保健師・助産師、あるいはかかりつけ医や産婦人科に、今の状態をそのまま話してみてください。うまく説明できなくても大丈夫です。あわせて、次のような窓口も、あなたの側に立ってくれます。
- 110番(警察)・119番(救急):差し迫った危険があるとき。
- 児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783」:子育てや親子関係の悩みを相談できます。
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」:子どもを傷つけてしまいそうなとき。
- 親子のための相談LINE:保護者も、子育てや親子関係について相談できます。
- よりそいホットライン「0120-279-338」:24時間・無料。どんな悩みでも相談できます。
あなたが休むことは、あなた自身のために必要です。子どものためという理由がなくても、今は休んでかまいません。
よくある質問(FAQ)
育児ノイローゼは、何歳のときが多いですか。
「何歳のときが最も多い」と、一つの年齢に決められるものではありません。ただ、0〜1歳ごろは睡眠不足が続きやすく、1歳半〜3歳ごろは子どもの自我が強くなるため、親の負担が大きくなりやすい時期です。年齢よりも、眠れているか、休めているか、負担が一人に集中していないかが重要です。
どんなサインに気をつければいいですか。
涙もろくなる、眠れない、食欲がない、子どもをかわいいと思えない、何もする気が起きない、といった状態が、いくつも重なって続いているときは注意が必要です。とくに「消えたい」という気持ちが出てきたら、サインを一人で抱えず、すぐに相談窓口や医療につながってください。
育児ノイローゼは、治りますか。
「育児ノイローゼ」は正式な診断名ではないため、回復までに必要な時間や支援は人によって異なります。ただ、休息を取り、負担を減らし、必要に応じて専門家の支援を受けることで、つらさがやわらいでいく可能性があります。一人で抱え込まず、周りや相談窓口を頼ってください。「これくらいで相談していいのかな」と、ためらう必要はありません。
読み終えたあなたへ
ここまで読むほど、あなたは自分の状態を、どうにかしようとしてきたのだと思います。育児で心がすり減るのは、あなたの弱さではなく、あなたに負担が集まりすぎているサインです。今日すぐ、何かを解決しなくてかまいません。まずは、ここで少し息をついて、つらさが続くようなら、上のどれか一つの窓口に、声をかけてみてください。
子育てのヒントを、もう少し
子どもとの関わり方や、子育ての悩みとの向き合い方について、グランエンパティアでは発信しています。よかったら、のぞいてみてください。
※相談窓口:よりそいホットライン(社会的包摂サポートセンター)
※参考:厚生労働省「女性のうつ」
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