「子育て、いつまでこんなにしんどいんだろう」。やっと静かになった部屋で、思わずそうつぶやく夜が、あるかもしれません。いつになったら楽になるのか、その見通しが立たないことが、いまのしんどさを、いっそう重くします。
「一番しんどい時期」に、みんな共通の正解はありません
結論からいうと、「何歳が一番しんどい」という、すべての家庭に当てはまる答えはありません。乳児期を挙げる人もいれば、イヤイヤ期、小学校入学のころ、思春期を挙げる人もいます。調査によっても、結果は分かれます。
これは、はぐらかしているのではありません。しんどさは、子どもの年齢だけでなく、そのとき親がどれだけ眠れているか、頼れる人がいるか、仕事や暮らしと重なっているか——そうした条件で大きく変わるからです。だから、「もうこの歳なのに、まだしんどい」と、自分を責めなくて大丈夫です。
何歳がしんどい? 時期ごとの「しんどさの種類」
年齢によって、しんどさの種類は変わっていきます。
- 0〜2歳ごろ:睡眠が細切れになり、24時間気が抜けない。体力の消耗が大きい時期です。
- 2〜3歳ごろ(いわゆるイヤイヤ期):自分で決めたい気持ちが強くなり、着替えや食事、移動といった毎日の場面で、どう関わればいいのか迷いやすくなります。
- 小学校入学のころ(「小1の壁」):預け先や生活リズムが変わり、親の段取りの負担が増えます。
- 思春期:親に話さないことが増えたり、距離の取り方に迷ったりする時期です。
どれが一番かは、人によって違います。今しんどいなら、そのしんどさは、ほかの時期や誰かと比べなくても、十分に重いものです。順番に軽くなっていくとも、限りません。
疲れ・ストレスのピークは、いつ来るのか
「疲れのピーク」「ストレスのピーク」は、特定の年齢に固定されているわけではありません。むしろ、いくつかの負担が同時に重なったときに来ます。睡眠不足が続いている。頼れる人がいない。自分の時間がまったくない。体調が悪い。そこに、子どもの生活や発達の変化への対応が重なると、同じ育児でも、一気に苦しくなります。
ピークは「子どもが何歳か」だけでは決まりません。重なっている負担のうち、どれか一つでもほどけると、少し息がつけることがあります。
しんどさを決めているのは、年齢だけではありません
同じ「2歳児の子育て」でも、しんどさは家庭によってまったく違います。しんどさを分けるのは、子どもの年齢だけではありません。子どもの特性や健康状態、親の体調、仕事、家計、住環境、そして負担が誰に集まっているか。こうした条件がいくつ重なっているかで、苦しさは大きく変わります。
一人で抱えているほど、逃げ場がなくなります。相談できる相手がいない。代わってくれる人がいない。「しんどい」と言える場所がない。子どもの年齢を早送りすることはできませんが、負担の集まり方には、変えられる余地があります。
変えたくても、頼れる人や使える制度が見つからないこともあります。それは、あなたの頼り方が悪いのではありません。必要な支えが、まだ届いていない状態なのかもしれません。しんどいのは、あなたの愛情や忍耐が足りないからではありません。
自分を休ませる仕事まで、一人で背負わない
減らしたいのは、あなたの努力ではなく、あなたに集まっている役割です。たとえば、次のような負担を、あなたの手から一つ外せないでしょうか。
- 食事、入浴、寝かしつけのうち、どれか一つを代わってもらう。
- パートナーには「手伝ってもらう」のではなく、時間帯ごと任せる。
- 家族に頼れない場合は、自治体のこども家庭センターなどに相談する。
- 頼れる相手が一人も浮かばないなら、それ自体を、相談の中身にする。
今は、どれもできそうにないかもしれません。それは、あなたの工夫が足りないからではなく、それだけ支えが足りていないということです。
いま一番つらいのは、子どもの行動でしょうか。それとも、眠れないこと、代わってくれる人がいないこと、誰にも言えないことでしょうか。答えがすぐに出なくても大丈夫です。この問いは、あなたを分析するためではなく、どこに支えが必要なのかを見るためのものです。
つらさが、心と体に出てきたら
眠れない、涙が止まらない、食べられない、何も感じない——そんな状態が続いているなら、もう一人で耐える段階ではありません。かかりつけ医や心療内科、産後であれば産婦人科、自治体のこども家庭センターに、相談してください。
「このままでは自分や子どもを傷つけてしまうかもしれない」と感じたときは、親子だけで抱えず、周りの大人や相談窓口に、すぐにつながってください。差し迫った危険がある場合は、110または119へ。子育てや親子関係の悩みは「0120-189-783」へ、子どもを傷つけてしまいそうなときや「虐待かもしれない」と感じたときは「189」に相談できます。「189」は匿名でも利用できます。
- 親子のための相談LINE:保護者も、子育てや親子関係について相談できます。
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」:虐待かもしれないと感じたときに相談できる、全国共通の番号です。
よくある質問(FAQ)
上の子のときより、今のほうがしんどいです。おかしいですか。
おかしくありません。しんどさは、子どもの人数や年齢だけでなく、その時々の体力や、周りの支え、暮らしの状況で変わります。前回乗り切れたから今回も、とは限りません。前回を乗り切った自分と比べなくて大丈夫です。今回には、今回の重さがあります。
周りは楽しそうなのに、自分だけつらいのは、なぜでしょう。
見えているのは、多くの場合、その人の一部分です。外から見える姿だけでは、その人がどれだけ眠れているのか、誰に頼れているのか、家で何が起きているのかまでは分かりません。比べるための条件が、そもそも揃っていないのです。
いつになったら、楽になりますか。
「何歳になれば」と、はっきり区切ることはできません。ただ、しんどさの種類は、時期とともに移り変わっていきます。今の大変さが、ずっと同じ形で続くわけではありません。そして、負担のかかり方が変われば、その時期の途中でも、少し楽になることがあります。
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