人に頼るのが、どうも苦手だ。しんどくても「大丈夫」と言ってしまう。甘えることが、よく分からない。ふとした瞬間に、これはもしかして、子どもの頃の家庭のせいなのかもしれない——そう思い当たって、胸がざわついたことは、ないでしょうか。

ここから挙げる特徴は、あなたの欠点でも、弱さでもありません。まず特徴を整理したうえで、その特徴が持っていた意味と、今からできることを、一緒に見ていきます。

親に甘えられず育った人に見られる特徴

人に甘えたり頼ったりすることが難しい人には、次のような悩みが重なることがあります。

  1. 人に頼るのが苦手で、なんでも一人で抱えてしまう
  2. しんどくても「大丈夫」と言い、弱音を出せない
  3. 相手の機嫌や顔色を、無意識にうかがってしまう
  4. 「嫌われたくない」「見捨てられたくない」という不安が強い
  5. 完璧にやらなければ、と自分に厳しくなりがち
  6. 感情を表に出すのが苦手で、ため込んでしまう
  7. 自分を後回しにして、人を優先してしまう

もちろん、これらは「見られることがある」姿です。当てはまる項目があっても、それだけで何かが決まるわけではありません。当てはまらない部分があっても、同じです。

それは「弱さ」ではなく、身を守るための術だったのかもしれない

これらの特徴は、あなたの欠点と決める必要はありません。かつて、自分を守るために役立っていた可能性のある方法です。

もし、甘えたり頼ったりしたときに、嫌な顔をされたり、期待した反応が返ってこなかったりする経験が重なっていたなら。頼らずに自分で抱えることが、その場で身を守る方法として、身についたのかもしれません。人に頼れないのは、あなたが冷たいからではなく、頼っても応えてもらえない時間があったのかもしれない。弱音を出せないのは、出せる場所がなかったのかもしれない。

ただし、今の特徴だけで、過去の家庭や、受け取ってきた愛情を決めることはできません。こうした特徴は、生まれ持った気質や、今の夫婦関係、職場、家事や育児の偏りなど、いくつもの理由から生じます。原因を一つに決めることより、今のあなたが少し楽になる道を探すほうが、役に立ちます。

頼れない自分を直す前に、「頼れる相手がいるか」を見る

「頼れない自分を変えなきゃ」と思う前に、一つ見てほしいことがあります。頼れないことが、すべて自分の心の問題とは限らない、ということです。

思い返してみてください。頼んだときに、不機嫌になる相手ではなかったか。以前頼んだとき、責められたり、笑われたりしなかったか。「やる」と言って、実行してくれない相手ではなかったか。あるいは、家事も育児も仕事も、あなた一人に集中していないか。頼むと嫌な顔をされる環境で、頼らなくなるのは、自然な反応ではないでしょうか。あなたに問題があるのではなく、安心して頼れる相手や仕組みが、今のあなたの周りには十分にない可能性もあります。

安心して頼れる相手に、小さく頼ってみる

そのうえで、もし試してみたいと思えたら、相手を選ぶところから始めます。まずは、断るときにもこちらを責めず、約束を軽く扱わない人。その人に、断られても生活に大きく響かない、小さなことから頼んでみる。「これ取ってもらえる?」くらいで十分です。

もし嫌な顔をされたとしても、「やっぱり私が頼ってはいけないんだ」という答えにしなくて大丈夫です。それは、その相手が、安心して頼れる人ではなかった可能性もあるからです。頼れるかどうかは、あなたの価値ではなく、相手と場所によっても変わります。

子どもに甘えられて、戸惑うときは

もしあなたが今、子どもを育てているなら、こんな不安がよぎるかもしれません。「甘えられなかった自分に、子どもを甘えさせてあげられるだろうか」と。

まず、あなたの過去が、そのまま子どもの未来になるわけではありません。ただ、子どもに強く甘えられたとき、なぜかいら立つ、体が固まる、少し離れたくなる。そんな反応が出ることは、あるかもしれません。それは、愛情がないからとは限りません。自分が経験してこなかったことを、突然求められて、戸惑っている可能性もあります。

そういう自分に気づいたら、まずは「これは戸惑いなんだ」と受け止めてみてください。すぐに応えられないときは、少し離れたり、誰かに代わってもらったりしても構いません。子どもの甘えを、いつも一人で受け止めきらなくてもいいのです。

つらさが、続いているときは

もし、生きづらさが日常に重くのしかかっている、気持ちの晴れない日が長く続いている、過去を思い出すと苦しくてたまらない。そんなときは、一人で抱え込まないでください。カウンセラーや心療内科など、専門家の力を借りることは、弱さではなく、自分を大切にする選び方です。あなたの育ちを、あなた一人で背負い続ける必要はありません。

よくある質問(FAQ)

この特徴は、もう変えられないのでしょうか。

性格を丸ごと作り変える、という話ではありません。頼れなかったのには理由があった、と分かるだけでも、自分への見方は変わります。そのうえで、安心できる相手に小さく頼る経験を重ねると、頼り方や、人との距離の取り方に、新しい選択肢を増やしていく余地があります。

親を、許さないといけないのでしょうか。

許すことを、今のあなたの課題にしなくて大丈夫です。許すか、距離を置くか、まだ決めないか。どれでもかまいません。それよりも、今の自分が少し安心して暮らせることを、先に考えてよいと思います。

甘え方が、そもそも分かりません。

長く頼らずに来た人ほど、そうだと思います。「甘える」を、大きなことと考えなくて大丈夫です。安心できる相手に「これ取ってもらえる?」と小さなお願いをしてみる。まずは、それくらいの一歩からで十分です。

読み終えたあなたへ

今日、何かを大きく変えなくてもかまいません。次に「大丈夫」と答えそうになったとき、その言葉で、自分が何を守ろうとしているのかを、一度だけ立ち止まってみる。そして、頼るかどうかを決めるのは、その相手が安心できる人だと確かめてからで構いません。頼れない自分を、理由もなくおかしいと決めなくていいのです。

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