「うちの子、軽度のADHDかもしれない」。あるいは、受診して「軽度と言われた」。そう感じて、特徴を確かめたい、そして家でどう関わればいいのかを知りたくて、ここにたどり着いたのかもしれません。

先にお伝えします。この記事は、お子さんを「ADHDです」「軽度です」と判断するためのものではありません。「軽度かどうか」を含めて、診断や程度の判断は、医師が総合的に行うものです。ここでは、世間で語られる「軽度ADHDの子供の特徴」を整理したうえで、家庭でできることと、家庭だけで抱えないための相談先を、一緒に見ていきます。

「軽度ADHD」とは

「軽度」という言葉から、「軽いから、大丈夫」と受け取ってしまいそうになります。でも、軽度であっても、本人が困っていないわけではありません。むしろ、行動が一見ふつうに見えるぶん、まわりが気づきにくく、「なまけている」「やる気がない」と誤解されて、支援が遅れてしまうこともあります。

ADHDには、症状の数や生活への影響に応じて、軽度・中等度・重度という重症度の見方があります。「軽度ADHD」という別の種類があるわけではありません。診断や重症度は、家庭や園・学校などでの様子を聞き取り、必要に応じて行動評価尺度や検査も用いながら、医師が総合的に判断します。この記事の内容だけで、「軽度だ」と決められるものではありません。

「軽度ADHDの子供の特徴」として語られる、いくつかの現れ方

「軽度ADHDだけに見られる特徴」があるわけではありません。ADHDで見られる不注意、多動性・衝動性があり、その症状の数や生活への影響などを総合して、「軽度」と判断されることがあります。日常の中では、たとえば次のような姿として現れます。

  • 宿題や持ち物を、よく忘れる
  • 授業や食事の途中で、集中が続かず、そわそわする
  • 順番を待つのが苦手で、思ったことをすぐ口に出したり、動いたりする
  • 支度や片づけの段取りがつけにくく、時間がかかる
  • 気持ちの切り替えに時間がかかることがある

読んで、思い当たることがあったかもしれません。ただ、これらは、ADHDのある子だけに見られるものではありません。年齢や、その日の体調、まわりの環境によっても、程度は大きく変わります。いくつか当てはまっても、それだけで診断がつくわけではありません。

家庭でできることの前に——「直す」より「合わせる」

家庭での工夫に入る前に、一つだけ、土台になる考え方をお伝えします。子どもの困りごとは、本人の努力不足や、しつけの失敗から起きているのではありません。子どもの困りごとの大きさは、その子の特性だけで決まるのではなく、まわりの環境との組み合わせによって変わります。

だとすると、家庭でできることは、「子どもを直す」ことではありません。「環境の側を、その子に合わせる」ことです。子どもに合った仕組みがあると、動きやすくなることがあります。以下の工夫も、子どもを変えるためではなく、その子が力を出しやすい環境を整えるためのもの、と受け取ってください。

家庭でできること

公的機関の情報も参考にしながら、家庭で試しやすい工夫を整理すると、次のようになります。

  • やることを、小さく区切って伝える:「支度して」ではなく、「まず靴下をはこう」と、一つずつ。できたら次を伝えます。
  • 見通しを、目に見える形にする:やることリストや、絵・写真で「次は何か」が分かると、動きやすくなります。
  • 気が散りにくい環境を整える:気になるものを片づける、静かに集中できる場所をつくる、など。
  • 否定形より、肯定形で伝える:「走らないで」より「ここは歩こうね」と、してほしいことを具体的に。
  • できていることを、具体的に認める:「時間どおりに準備できたね」など、小さなことでも言葉にします。

うまくいかない日があっても大丈夫です。これらは「毎日完璧にやる課題」ではなく、使えそうなものを一つ試してみる、くらいの気持ちで十分です。

家庭だけで、抱えなくていい

そして、これがいちばん大切かもしれません。子どもの困りごとを、家庭だけで、親だけで抱える必要はありません。

園や学校の先生に、家での様子を共有し、園・学校での様子も聞いてみる。スクールカウンセラーや、自治体の発達相談の窓口に相談する。必要なら、児童精神科や小児科、発達障害者支援センターを頼る。こうして関わる人を増やすことは、あなたが力不足だからではなく、その子を支える網を広げることです。

よくある質問(FAQ)

軽度ADHDの子供の特徴は、どんなものですか。

「軽度だけに見られる特徴」があるわけではありません。ADHDで見られる不注意、多動性・衝動性が、日常では、忘れ物が多い・集中が続かない・順番を待つのが苦手・支度に時間がかかる、といった形で現れることがあります。ただし、これらは体調や環境でも変わり、ADHDのある子だけに見られるものではありません。当てはまるかどうかで判断せず、気になるときは専門家に相談してください。

軽度なら、家庭の工夫だけで大丈夫でしょうか。

家庭の工夫で、困りごとが和らぐことは多くあります。ただ、「軽度だから相談しなくていい」というわけではありません。本人のつらさが続いていたり、園・学校でも困りごとが見られたりするなら、家庭だけで抱えず、専門家や園・学校と一緒に考えていくほうが、本人は楽になります。

つい叱ってしまいます。どうすればいいでしょうか。

同じことを何度伝えても繰り返されれば、つい強い声になることもあります。それだけ毎日、何とか伝えようとしてきたのだと思います。叱らない親になろうとするより、まず一つだけ、「してほしいことを具体的に伝える」に置き換えてみませんか。できたときに、それを言葉にして認める。この切り替えのほうが、結果的に伝わりやすくなります。そして、あなた自身が余裕を失っているときは、まず自分が少し休むことも、大切な手当てです。

読み終えたあなたへ

「軽度ADHDの子供の特徴」を調べるほど、あなたは、この子のために何ができるかを、真剣に考えてきたのだと思います。でも、家庭でできることは、子どもを「直す」ことではありません。その子に合う環境を、少しずつ整えていくことです。そして、それを親一人で背負う必要もありません。今日から完璧にやらなくて大丈夫です。まずは、気になっていることを一つ、園・学校や相談窓口に話してみてください。

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※参考:こども家庭庁「体罰等によらない子育てのために」発達障害ナビポータル「ADHDのある子どもの指導・支援」

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